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企業の思い切った事業再構築を支援する、事業再構築補助金とは?

事業再構築補助金は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売上の回復が期待し難い中、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業・業種転換、事業再編、国内回帰又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的としている。コロナの影響で厳しい状況にある中小企業、中堅企業、個人事業主、企業組合等を対象とし、予算の範囲内で採択される。

そのためには、①事業計画について認定経営革新等支援機関の認定を受け、②付加価値額を向上させること(補助事業終了後3~5年で付加価値の年率3.0%~5.0%(申請枠により異なる)以上の増加、または従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%~5.0%(申請枠により異なる)以上増加の達成をさせることが必要)が必須条件となる。クリーニング業(普通洗濯業、洗濯物取次業:日本標準産業分類による)は「産業構造転換枠」、コインランドリー業は「成長枠」の対象業種に認定された。

「事業再構築」の定義とは、中小企業等事業再構築促進事業において、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換または事業再編のいずれかを行う計画に基づく中小企業等の事業活動をいう(中小企業庁HPより)。

R5年度は、現在第10回までの申請が終わったが(R5年6月30日現在)、今後も申請枠が組まれる予測見込みがあり、今回はそのための補助金申請について説明する。

【産業構造転換枠】について

産業構造転換枠の対象となる事業者は、前述の必要要件に加えて以下のいずれかの条件を満たす必要がある。

①現在の主たる事業が過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上縮小する業種・業態に属しており、当該業種・業態から別の業種・業態に転換すること。

②地域における基幹大企業が撤退することにより、市町村内総生産の10%以上が失われると見込まれる地域で事業を実施しており、当該基幹大企業との直接取引額が売上高の10%以上を占めること。

この①について、総務省「家計調査」および「住民基本台帳に基づく人口、人口動態および世帯数」の根拠資料をもって10%以上の市場縮小を示すとして、業界団体の全国クリーニング生活衛生同業組合連合会(野澤勝義会長)が提出、要件を満たすとして指定業種として認定されている。

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事業再構築補助金概要資料(中小企業庁)より(以降同)

【成長枠】について

成長分野への大胆な事業再構築に取り組む事業者を応援するもの。前述の必要要件に加えて以下のいずれかの条件を満たす必要がある。

①取り組む事業が、過去~今後いずれか10年間で市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること。

②事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること。

この①について「コインランドリー機器出荷台数統計及び金額推移」をもって(一社)日本コインランドリー連合会(宮澤敏文理事長)が要件を満たすとして提出し、R5年5月25日付で対象に認定された。

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