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ヴィンテージ専門古着修理業者とコラボ。ヴィンテージクリーニングの新展開
高度なシミ抜き技術により、店受けほかネットでの受注で全国から品物を集める三重県津市の㈱イウチ(井内雅一代表取締役)では、2年前から古着専門の修理業者とのコラボにより「ヴィンテージ衣料」に特化したシミ抜き、クリーニングを開始。InstagramやYouTubeで様々な事例を配信しながら新分野の需要開拓を図っている。同社とコラボ先のヴィンテージ専門古着修理「Oh là là(オーララ)」(愛知県一宮市、宮崎直美代表)を訪問し、ヴィンテージ衣料の世界とそのケアについて聞いた(取材協力=廣瀬商事㈱)。
井内雅一社長
イウチクリーニング工場
配信用の動画を撮りながらシミ抜き作業を行う井内氏
高単価商品を獲得する動きが盛んに
スーツやワイシャツなど一般衣類のクリーニング需要が縮小を続ける中、新たな需要創出として靴やバッグ、スニーカー、ふとんなどをメニュー化、あるいはハイブランド衣料に特化したコース設定で、高単価商品の獲得を狙う動きもある。
そのハイブランド衣料と同等あるいはそれ以上の高値で流通することもあるのが古着。古着の中でも、年代物で希少価値の高いヴィンテージ衣料は愛好家やコレクターも多く、投資目的の収集、売買もされるようになっている。
ただ、数十年も経った古着だけにやぶれやほつれ、色落ち、シミなどダメージは大きく、通常のクリーニング処理では、ぼろぼろになってしまうことがあるため、クリーニングを断られるケースが多いのも実状のようだ。
YouTubeでシミ抜き技術を配信
イウチは1979年の創業。現社長の井内氏は、家業に入ってからはシミ抜き技術の習得に励み、多数いる門弟の中でも7名しかいない不入流高弟の階位「匠聖」を取得し、同業者に指導する立場となっている。
その技術を駆使して、2011年にはネット宅配のシミ抜き・クリーニングの「せんたく屋太郎」を開設。クリーニング店やシミ抜き専門店で落ちなかった難しいシミなどを、除去できたら代金が発生する成功報酬制で実施している。
2018年からは本格的にYouTube配信を開始。井内氏は「ネットのクリーニングのサイトは、以前は写真と文章だけだったが、動画の配信になって大きく変わった。写真と違って動画はごまかしができず技量が可視化される。嘘偽りのない本物の技術を伝えたい」として、実際のシミ抜き工程の動画を大量に配信している。
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