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After Word ドライ溶剤の動向と環境対応
厚生労働省の「ドライクリーニングにおける溶剤の使用管理状況等に関する調査 (令和6年度)」の結果が5月に発表されている。
それによると、ドライ溶剤を使用する施設数は13,681施設で、台数は16,579台。2年前の調査時より施設数は2,078施設減少(86.8%)、台数は2,132台減少(88.7%)となった。
調査は2年ごとに行われているが、この20年ほどは毎回2,000施設・2,000台が減少するペースが続いている。20年前の平成16年度は36,439施設・40,773台。そこから比べて今は4割ほどになっているのが現状だ。
溶剤の中で最も使用されている石油系溶剤は、12,496施設・15,152台。16年度比では約20,000台の減少となっているが、全溶剤における使用割合(台数)は当時の86.3%から91.4%に上がっている。
一方、使用割合が下がっているのがテトラクロロエチレン(パーク)。現在は889施設・1,084台となっており、20年前(4,270施設・4,831台)の4分の1以下。台数の割合は11.8%から6.5%に減っている。
石油系とパークで全体の98%を占めているが、その他ではHCFC類が54施設・64台、HFC-365mfcが132施設・155台、1,1,1-トリクロロエタンが9施設・9台、CFC-113が13施設・13台。
ドライ溶剤は現状、ほとんどが石油系でパークが少し残り、わずかにフッ素系が使用されているが、主流の石油系も建築基準法の問題があるだけに、今後どうなっていくかは不透明だ。
また、全ての溶剤に言えることは、ドライ溶剤が将来に生き残るには、やはり環境への対応が必須ということ。あらゆる規制をクリアし、かつ使い勝手の良い溶剤が今後出てくるかどうか、あるいは水に移行するしかないのか…。
環境対応という点で今回は、白洋舍のポリ包装リサイクルをレポートした。これについては、クリーンライフ協会が以前、回収方法等を研究していたことを思い出す。回収するにしても「空気を運ぶようなもの」という点が難題であり、各工場でポリを溶かすといった案も出ていたが、結局は実行に至るような方法は見つからなかった。
白洋舍では、圧縮して再生ペレット業者に渡すリサイクルを実践。客先から回収するには課題もあり、それをどうクリアするか。循環型の事業に挑戦する同社の今後が注目される。
ポリ包装を圧縮(白洋舍)
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