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【ハンガー越しの景色 ─ 編集部リレーコラム第1回】夜の街の衰退とクリーニングの繁栄



最近、夜の街に異変が起きているという。キャバクラ業界の苦戦だ。

コロナ禍以降の回復の遅れに加え、若年層のアルコール離れや企業接待の減少、人手不足などが重なり、全国的に店舗数の減少が続いている。

私もかつてのように繁華街へ繰り出すことは少なくなったが、この話を聞きながらふと我が業界の姿が重なった。一見すると無関係だが、その衰退の背景には似た構造が見えてくる。

キャバクラを支えてきたのは仕事帰りの会社員や企業の接待需要である。一方、クリーニング店を支えてきたのはスーツやワイシャツを着用するビジネスパーソンだ。

どちらも高度成長期から平成にかけて形成された「サラリーマン社会」の恩恵を受けて発展した業界。ところが近年、その前提が大きく変わり、テレワークの浸透や働き方改革によりスーツの着用機会は減少し、ビジネスカジュアルが一般化した。

企業接待も縮小し、仕事帰りに同僚や取引先と飲みに行く文化も弱まっている。つまり両業界は、顧客の生活様式の変化によって縮小を余儀なくされた。

さらに興味深いのは代替サービスの存在で、キャバクラの苦戦はSNSやライブ配信、マッチングアプリなどが人との交流や承認欲求を満たす新たな手段となったことと無関係ではない。

かつて店舗でしか得られなかった体験が、スマホ一つで実現できる時代になったのである。クリーニング業界も同様だ。家庭洗濯の高性能化、ウォッシャブル衣料の普及、コインランドリーの進化によって、クリーニング店に依頼する必然性は以前より低くなった。

両業界とも、専門店が担っていた機能を技術革新が代替した形といえる。

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