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ニオイの拡散を抑制する「ダクトレス」 柱のない屋根付き駐輪場で雨の日も利用しやすく

㈱TOSEIのコイン式ふとん乾燥機のユーザー取材のために訪問した栃木県の「メイトドリーム」は、㈲メイト(舩越亮人社長)が運営するコインランドリー。同社はもともと不動産業であったが、舩越社長の父親である先代が「栃木にもキレイなコインランドリーを作りたい!」と20年ほど前にコインランドリー事業を立ち上げたそうだ。

現在、不動産事業、コインランドリー事業、内装・建築事業の3本柱があるが、メインとなっているのはコインランドリー。2020年6月時点で県内に35店舗を展開するほか、TOSEIの販売代理店としても活動しており、直営店舗のほか100件近くのランドリーの立ち上げに携わってきた。

内装・建築部門があるため、直営ランドリーの内外装工事を、全て自社にて完結できるのは大きな強み。外部発注と比べ低コストで済むのはもちろん、「自分たちが本当に作りたいランドリー」を納得行くまで作り込むことができる。今回取材したメイトドリーム佐野大橋店も、同社の看板店舗の一つで、多くのランドリーの参考になりそうな、大きな2つの特長があった。

まず一つ目は“ダクトレス”。同店のバックヤードにあたる部分は隣の民家との間にそれほどの距離がない。昨今のコインは洗剤・柔軟剤は自動投入が主流であるが、香りの強い柔軟剤を入れる利用者が存在し、通常は屋外で剥き出しとなっているダクトから、その臭いが近隣に広がってしまい苦情が寄せられる、との悩みを持つオーナーは多い。

そのため同店では、写真のようにダクトを剥き出しにするのではなく、建屋内に「ダクト室」を設け、排気も下向きにすることで大幅に臭気の拡散を抑制。確かに「ダクト室」の中と、屋外とでは臭気の強さは大違いであった。さらに、これだけ隣家と近い立地なら、「見た目の印象もかなり違うのでは」と舩越社長。

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(上)ダクトがあるはずの場所なのに…/(下)建屋内に「ダクト室」を設け、排気も下向きにすることで大幅に臭気の拡散を抑制


同店のもう一つの特長は“雨でも濡れないランドリー”。雨が降ると外出したくない人が増えるため、多くのビジネスで客足が鈍るが、雨の日が続くと逆に賑わうのがコインランドリー。しかし、せっかく洗濯・乾燥した衣類が「車に戻る間に雨で濡れてしまう」のは、多くの利用者の悩みのタネ。そこで、同店には二間(にけん=約3・6m)分もの屋根がついているのだ。しかも、柱は一切なし!

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かなり広い間口の店舗だが、二間(約3・6m)分もの屋根が。それでいて間に柱が1本もない!


もちろん、この屋根の施工も同社によるものだが、「限界の長さ」だそうだ。運転に不慣れな人にとっては、屋根付きだけでなく、柱がない=駐車しやすい、ということも、多くのランドリーの中から同店を選ぶ大きな理由の一つとなっているのではないだろうか。


2019年の春にオープンした同店を含む同社のランドリーは、19年10月に発生した台風19号により4店舗で浸水し、内装もボロボロ、ヘドロがモーターに入り込みモーター交換まで強いられた。

しかし、近隣住民も洗濯ができずに困っていたため、スタッフは休みなし・総出で掃除、パーツの出荷等でTOSEIも素早く対応してくれ、急ピッチで復旧させたという。特に今回取材した佐野大橋店は、オープンから半年で水害に見舞われたことになるが、復旧直後には洗濯機が足りなくなり急遽、小型機を追加したほど地域で必要とされる店となった。

先代社長がコインランドリー事業参入を決めた際、「30店舗は作りたい」と話しており、その節目の30店舗目となるのが佐野大橋店だった。先代はオープン後すぐ、他界してしまったそうだが、取材時に紹介されたスタッフの中には、舩越社長の「母、姉、弟」がおり、家族一丸となってランドリー事業に取り組んでいる様子がうかがえた。

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のぼりや大型看板だけでなく、店内で流れている案内動画も自社で作成。写真はその作業をする舩越社長




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