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日本の未来を左右する特定技能に「リネンサプライ」加わる 人手不足を補うだけではない、国が描く産業の持続可能性

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2026年1月23日の閣議決定を受けて、6月1日、特定技能制度に「リネンサプライ」が新たな対象分野として加わった。これにより、ホテル・旅館や病院・介護施設などで使用されたリネン類の入荷・仕分けから、洗濯、乾燥、仕上げ、検品、結束、出荷まで、リネンサプライの現場で外国人材を受け入れることが可能となった。政府は同時に「育成就労」の対象にもリネンサプライを位置づけており、今後の人材確保策として重要な制度改正である。

現在の特定技能は、介護、ビルクリーニング、建設、製造、宿泊、農業、外食などに加え、2026年の制度再編でリネンサプライ、物流倉庫、資源循環などが加わり、対象分野が19分野となった。出入国在留管理庁は、分野ごとに「人材不足の状況」「求められる人材の基準」などを定め、特定技能による外国人材の受け入れを進めている。

特定技能16分野に新たに3つ加わって19分野となった

人手不足が深刻な3分野が追加

今回加わった三分野には共通点がある。いずれも人手不足が深刻である一方、国内人材の確保や生産性向上だけでは将来的な需要を支えることが難しい、と判断された分野だ。物流倉庫では、倉庫内での貨物の入出庫、保管などの作業が対象となり、省人化・省力化に向けた自動化や機械化が進められている。資源循環も、廃棄物処理や資源化を担う人材の確保が課題となっている。

その中でリネンサプライが対象となった背景には、やはり深刻な人手不足がある。リネンサプライ分野における制度運用に関して法務省の出入国在留管理庁がまとめた「リネンサプライ分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針 及び育成就労に係る制度の運用に関する方針」によると、2024年度の有効求人倍率は3.71倍。さらに2028年度には、必要な就業者数が11万9,800人となる一方、就業者数は9万9,700人程度にとどまり、約2万100人の人手不足が生じると試算された。

国内人材確保でも不足する分を外国人材で補完

しかし、ここで政府は不足する2万100人を、そのまま在留外国人を雇用することによって補おうとしたわけではない。むしろ政策文書を読み解いていくと、外国人材は「最後の不足分」を補う位置づけであることが分かる。

政府の試算では、生産性向上によって約5,200人、国内人材の確保によって約7,200人の人手不足を緩和することを想定。それでも約7,700人が不足すると見込まれ、この部分を特定技能と育成就労による外国人材で補う方針となった。2024年度から2028年度までの5年間の受け入れ見込数は7,700人で、その内訳は特定技能1号が4,300人、育成就労が3,400人である。

約7,700人の人出不足を、特定技能1号4,300人、育成就労3,400人で補う計画

今回の制度は、「人が足りないから外国人を入れる」という単純なものではない。設備更新やレイアウト変更、業務の効率化、省人化、国内人材の採用・定着、処遇改善などを進め、それでも残る人手不足を外国人材で補完するという考え方だ。

注目すべきは、リネンサプライの社会的な役割である。政府は、訪日外国人旅行者の増加などによって今後も宿泊の需要が見込まれることを背景に、ホテルや旅館などの営業を支えるリネンサプライの人材確保を課題としている。また病院や介護施設などで使用されるリネン類を扱うことから、公衆衛生を支える産業としての側面もある。単なる「洗濯サービス」ではなく、観光や医療を下支えする社会基盤の一つとして位置づけられているのだ。

リネンサプライを特定技能と育成就労の対象に

今回の制度では、「育成」という視点も忘れてはならない。特定技能1号は、一定の技能を持つ即戦力人材を受け入れる制度であるのに対し、育成就労は、働きながら技能を身につけてもらい、人材を育成・確保する制度だ。リネンサプライを両方の対象にすることで、外国人材を「一時的な労働力」としてではなく、技能を身につけながら、長期的に産業を支える人材として確保する算段だ。

技能実習制度は2027年4月1日に廃止され、育成就労制度が始まる予定

殊にリネンサプライでは、技能実習の「クリーニング職種・リネンサプライ仕上げ作業」から、一定の条件を満たせば特定技能へ移行できるルートも整備されている。これは、これまで外国人技能実習生を受け入れてきたリネンサプライ事業者にとっても、大きな変化となる。

今回の制度改正によって、リネンサプライ業界は人材確保の新しい手段を得た。しかし、その意味は外国人材の採用だけにとどまらない。政府が示したのは、「生産性を高め、国内人材の確保と処遇改善を進め、それでも必要となる人材を外国人材で補う」という、これからの産業のあるべき姿である。

受け入れ上限として設定された7,700人が、実際の現場でどのように活用されるのか。外国人材の定着によって工場の働き方や設備、人材育成がどう変わるのか。そして、特定技能制度がリネンサプライ業界の生産性向上や待遇改善にどこまでつながるのか。

2027年4月1日からは、リネンサプライでも育成就労制度が始まる予定だが、まだ始まったばかりの制度なので、今後の運用と現場の変化を継続的に注視していきたい。(編集部・石井窓呂)

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