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スタッフがサポートする「半セルフ」強み 「高齢者対応5か条」掲げ、地域密着のインフラビジネス構築へ
洗濯知識活かしたコインランドリー
2024年11月、板橋区のクリーニングメリー本店工場をリニューアルしてランドリープレス板橋大山店をオープン。クリーニング工場の作業エリアを縮小し、コインランドリー併設店へと生まれ変えた。
同社では、コロナ前から産業クリーニング(ユニフォームの下請けなど)の仕事を請け負っているが、その仕事があっても繁忙期以外は14~15時あたりには工場の作業が終了。「借物件で毎月家賃が発生している状況で、機械設備を遊ばせてしまっていた」と尾上社長は語る。

スタッフのサポートにより高齢者も安心。

「高齢者対応5か条」

アワード最優秀賞の賞状と盾
「販促に強い当店でも、今の状況でクリーニング売上を回復させるのは難しい。ランドリープレスとのコラボを経験して、コインランドリーのほうが、お客さんが楽しんで利用している印象を受けた。美容院に行くのと同じような感覚なのかもしれない。家賃というコストの悩みどころに対し、事業再構築の事業としてコインランドリーを選んだ」(尾上社長)。
30年以上営むメリー本店は地域トップシェアで多くの顧客がついており、直営店を合わせたメール会員数は6000人にものぼる。そのクリーニングのメール会員にコインランドリーの販促をかけて、スタートダッシュは成功した。
尾上社長は「クリーニングと違ってコインランドリー業はこれまであまり販促はしてこなかったと思うが、この店ではメール会員が喜んでくれるような販促を小まめにかけている。クリーニングで培った販促で、コインランドリーの需要をもっと掘り下げたい。また今後、地域の洗濯屋として何を使命にしていくか、と考えると、クリーニングとコインランドリーが敵対するのではなく、従来のクリーニングサービスを主体として、そのクリーニングの知識を活かしながらコインランドリーサービスを提供していけば、地域の洗濯事情をより良くできるはず」と語る。
高齢者に寄り添った接客を徹底
クリーニングとコインランドリーにより地域の洗濯事情をより良くしていく。これが、今回アワードで最優秀賞に選ばれた同店のコンセプト「地域に寄り添う衣場所(居場所)」ということでもある。
高齢者が多い地域において、同店はこれまでもクリーニングで来店した高齢者に寄り添った接客を行ってきた。「以前からシニア割をしていることもあって高齢の顧客は多い。お年寄りが遠くからふとんとか重たい物を持ってきたら、次からは家に取りに行ったりといったことは各店で自主的にしてきたし、通り一辺倒のマニュアル接客でなく、子や孫のような感覚で優しく接することでまた来店していただいている」(尾上社長)。
そして、コインランドリー併設を機に「高齢者対応5カ条」を策定した。内容は以下のとおりだ。
①お声かけの徹底…機械の操作方法、洗い方のアドバイスなど
②重たい洗濯物の積み下ろし補助…洗濯機、乾燥機の出し入れをお声かけしてフォロー
③店内掲示でわかりやすく説明…見えづらい・聞きづらい方には大きな声で
④高齢者優先の椅子などの配置…取り出し時のカートやお待ち時間の椅子を心地良く提案
⑤緊急時の即時対応…体調不良、猛暑日の熱中症などにすぐ緊急対応する
「高齢者にとってコインランドリーはスマホと一緒で、興味はあるけど使い方がわからない。ここはクリーニングのスタッフがいるので、機械操作に迷っている人には声掛けして洗い方をわかりやすく説明している。スマホ教室と同様、コインランドリー教室をしているようなもので、操作を覚えたらランドリープレスはいろいろな洗い方を選べるのが特徴なので、それぞれが好みの柔軟剤とかあれこれ選んで楽しく洗濯している」という。
また、洗い方のサポートでとくに効果的だったのは、ふとんだという。「高齢者はこれまで、ふとんを洗う習慣がなかったので、やっぱり怖いという人も多いけど、スタッフがサポートして洗い方を知ったら、どんどん持ってこられる。クリーニングでふとんを集めようと思ったら割引したり集配したりと大変で、ふとんはもう自分で洗える認識が広がってコインランドリーの需要になっている」(尾上社長)。
高齢者対応では、「意外と乾燥機の利用が多い」ことにも気づいたという。年配の人は天日干し、というイメージがあったというが、利用者に聞けば、歳を重ねると身体の機能的に洗濯ばさみがうまく使えなくなるようで、それで乾燥機を使う人が多いのだという。これも日頃のコミュニケーションがとれているからこそわかる高齢者のニーズといえる。