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実践者が語る!クリーニング+コインランドリーの優位性

創業80年超の老舗がクリーニング+コインランドリーでリスタート

生き残る可能性秘めた「洗濯コンビニⓇ」

神奈川県川崎市中原区にある「エニウォッシュ武蔵中原店」はクリーニングとコインランドリーの併設店。以前はユニットショップだったが、2021年11月に事業再構築補助金を活用してリニューアルオープンした。運営しているのは㈱髙瀨ホールディングス。

同社にとってコインランドリーは初挑戦だったが、「洗いのプロ」という競合店にはないアドバンテージを活かして差別化に成功。金融機関からも売上推移や将来性を評価され、融資を得て2022年10月には2店舗目となる「エニウォッシュ武蔵新城店」をオープンした。

髙瀨伸社長は「クリーニング店」から「洗濯コンビニⓇ」への転換にチャレンジしており、詳しく訊いていくと、ドライを取り巻く現状や消費行動の変化に対処しながらクリーニング業が生き残るための一つの可能性が見えてきた。

神奈川県川崎市 ㈱髙瀨ホールディングス

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髙瀨伸社長(右)と長男の力さん 武蔵中原店にて

1940年創業で80年以上に渡り、中原区内でクリーニング業の一本道を歩んできた同社。髙瀨社長は祖父、父から続く三代目として牽引してきた。改革へと舵を切る大きな契機となったのが新型コロナウイルスの感染拡大だ。

テレワークが普及したことで、主力アイテムだったビジネスウエア類の点数が激減。特にその影響が大きかったのが、JR南武線・武蔵中原駅から徒歩数分に位置し、稼ぎ頭であったユニットショップの「髙瀬クリーニング武蔵中原店」だ。

中原区は富士通㈱の本店所在地(本社は東京都港区)であり、武蔵中原店周辺は企業城下町という一面が存在する。「コロナ前まで、お店を支えていただいたお客様の中心は、やっぱり富士通に関連する方々だった。テレワークへのシフトが進んだことによる、武蔵中原店への点数・売上へのダメージは計り知れない」と髙瀨社長。

しかし、新たな発見もあった。いわゆる「おうち時間」が定着したことで、家庭で洗われてきたカジュアル衣類、そして寝具やカーペットなどの大物は増えてきたのだ。コロナというフィルターを介し、ドライクリーニングを取り巻く環境は大きく変化。家庭生活品の動きが活性化する中、「家庭洗濯での困りごとに、クリーニング屋として手を差し伸べられる方法があるのではないか」と思案するに至る。上手くピースがはまった時、今後も消費者に必要とされる商売であり続けることができると、改革に向けて動き出したのであった。



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2021年11月にリニューアルオープンした「エニウォッシュ武蔵中原店」。元々はクリーニングのユニットショップだった。正面入口、右手に見えるのがクリーニングコーナー。奥がコインランドリースペースとなっている

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洗濯は「負の家事」 クリーニング業が担うことは?

描いたゴールは「家庭から洗濯機を無くしたい」。そもそものスタートはコロナの影響による売上減への対処だが、そのことだけに捕らわれずに世の中の変化に目を向けると、「今まで見えなかったことが浮き彫りになった」という。

それは例えば商品やサービスの購入時、以前は当たり前だった所有に価値を置く消費行動(モノ消費)から、所有は一手段に過ぎず、それによって得られる体験・経験に価値を置く消費行動(コト消費)へと人々の行動がシフトしていること。

クリーニング業として、この消費行動の変容に適応する方法は、様々あるかもしれないが、髙瀨社長が思ったのは、いわゆる「負の家事」とされている洗濯のアウトソース先として立ち位置を掴むこと。

自分たちが担うことで、家には洗濯機を置く必要がなくなり、自由な空間が生まれる。そうすればベランダは洗濯物の干場ではなく、ガーデニングやベランピング、ドッグランの場所にもなりうる。今まで洗濯に費やしていた時間を、ドライブやキャンプなど、自分の好きなことにも使える。

もちろん、定期的に購入していた洗剤や柔軟剤も買わなくて良いから家計のサポートにもなる。家庭から洗濯機が無くなると、騒音問題や家庭排水の削減、水回り建築費の削減と、環境や住宅問題の解決にも一役を担う可能性もある。

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