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実践者が語る!クリーニング+コインランドリーの優位性

「バーサスではない」拡大した商機

アドバンテージばかり

コインランドリーの開業サポートを依頼したのは、「ランドリープレス」の店舗名で知られ、全国で300店舗以上のプロデュース実績を誇る㈱アスファクト(本社・福岡県福岡市)。同社による緻密な立地調査と、何より「とても親身になって、悩み事への相談にも乗っていただいた。自分たちが開業に踏み切りたいタイミングまで、しっかりと待ってくれて、オーナーファーストの姿勢を強く感じた。この人と一緒なら大丈夫」と語る、同社・和田剛社長の人柄にも惚れ込んだ。

ダメな立地には絶対にGoサインを出さないことで知られる和田社長のお墨付きを得て武蔵中原店を「エニウォッシュ武蔵中原店」と改名し、2021年11月にリニューアル。以前工場だったスペースを山本製作所の洗濯乾燥機(特大×1、大×2、中×1)と25キロ乾燥機2台、14キロの乾燥機6台などを設置したコインランドリースペースとした。

機器の購入という大きな投資が伴い、クリーニングよりも安い客単価、「正直、やる前は凄く不安だった」と当時を振り返る瀨社長だが、今では「クリーニング屋さんがやるから、差別化ができる。強みも出せる」というほど、手応えを掴んでいる。アスファクトから提示された収支シミュレーションと実際の数字には、ほぼ差が無いという。

では、クリーニングとコインランドリーを併設すると、どのような効果が生まれるのか。

これは単純明快で、まずはクリーニングコーナーに常駐するスタッフより、ランドリー機器の操作方法について丁寧な説明を来店客にできる。だから、武蔵中原店は来店客の4割が機器の扱いが苦手なシニア層と、ビギナーの取り込みにも成功した。  機器の説明だけではなく、持ち込んだものが洗えるのか、その判断ができるのもクリーニング店のスタッフならでは。コインランドリーで洗えないアイテムはクリーニングを提案することで、売上創出の機会ロスを防ぐことができる。

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コインランドリーで洗えるふとんと洗えないふとんの解説。クリーニング併設だと、売上の取りこぼしを最小限に防ぐことができる


また、「洗濯コンビニ®」のコンセプトでもある「いつでも、どんなものでも洗える」という想いを体現できるのも併設のメリット。料金の低さ、納期の速さ、お得感などを総合的に判断して、時にクリーニングなら高単価が取れたであろうアイテムに対して、あえてコインランドリーを提案することが、顧客満足度の向上に結び付くという。

一般的にコインランドリーは無人ビジネス。有人店といっても、午前中か午後のわずかな時間に清掃業務を中心としたスタッフが滞在するパターンが通常だ。その大きな理由は、ランドリーの料金(単価)やランニングコストなどを勘案すると、常駐ではペイできないから。

しかし、クリーニングとコインランドリーという二つのサービスを一人のスタッフで面倒見るなら話は別。クリーニング一軸がコインランドリーが加わって二軸になり、経営上のリスク分散という意味合いでも、併設店に取り組む意味は十分あるという。

コインランドリーについて、髙瀨社長は「バーサス(=敵対)すると考えるクリーニング業者が多いように感じる。決してそんなことはないと始める前から思っていたけど、実際にやってみると予想を超える相乗効果があった」。クリーニングに出てくるアイテムは水洗いできないもの中心。一方、コインランドリーで洗われるのは、家庭で洗濯できるものや、寝具などの大物が中心。同じお客が主体的に使い分けるシーンも頻繁に見受けられるそうで、棲み分けが自然にできている。

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