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布団の圧縮包装で配送コストを削減 「SF-95A」導入、工場・店舗の省スペース化も実現
福井県の㈱黒川クリーニング社(本社・坂井市、黒川俊之代表取締役社長)では、全国宅配の展開など重点事業として力を入れる布団クリーニングサービスにおいて、㈱日本シーリングの布団・毛布圧縮機能付きシール機「SF-95A」を導入。工場内や店舗の省スペース化や搬送業務の効率化を実現している。同本社工場を訪問して、導入の経緯や稼働状況について生産本部・野村和弘部長に話を伺った。
野村和弘部長
クリーニング業近代化の先駆け的存在
黒川クリーニング社は、昭和27年に高級和服専門の黒川クリーニング店として創業。同37年には県下で初めてパークドライ機を導入、県内同業者のドライ物ホールセール工場(高級品専門の下請工場)を開始。同40年には全国に先駆けてクリーニングのチェーン店システムにより事業を拡大した。その後も業界の先駆け的存在として常に先進的な技術やサービスを展開して、業界内でも広く知られる企業となった。
現在、福井・石川県下において8工場、158店舗を展開しており、ホームクリーニングのほか和服、リフォーム、コインランドリー、ユニフォームのクリーニング等の事業にも力を入れている。また、布団クリーニング事業については、平成8年に布団工場を新設して布団完全水洗いサービスを開始。令和3年には全国宅配サービスを始め、楽天市場にも出店して全国から布団やスニーカークリーニングが集まってきている。
布団の宅配「シーツかけたまま」が好評
サービスを始めて5年目となる布団の宅配クリーニングは今年も順調で、4~6月に保管サービス付で入荷した470袋は、秋の納品に向けて現在も生産が続いている。保管なしの受注はその2倍以上を集め、7~8月は繁忙となったようだ。
今年はとくに、シーツカバーをかけたまま出してもらい、従来と同料金でシーツも込みでクリーニングする新しいサービスが好評だったという。工場ではシーツを外し、布団と別に洗って仕上げ、返却時にシーツをかけ直して納品している。
工場としては手間が増えて大変だが、野村部長は「(消費者も同業者も含めて)人が嫌がること、困っていることをサービスとして提供することが大事」と語る。
宅配の布団については現在、ふっくらと仕上がったままの返却としているが、店舗受付分は布団をプレスして圧縮する「脱気包装」を始めている。日本シーリングからのメールで圧縮機能付きシール機「SF-95A」を知り、かさばる布団の配送やストックスペースを課題としていた同社では、黒川社長と野村部長が埼玉のショールームに見に行って導入を決めた。
重点事業として力を入れる布団クリーニング事業の効率化へ、布団・毛布圧縮機能付きシール機「SF-95A」を導入。配送コストやストックスペースの課題を解消した
省スペース、配送コストも削減
「SF-95A」 は、大きな布団や複数枚の毛布などを簡単に脱気し、かさばる商品をコンパクトに包装できる機械。
操作は、袋に入れた布団を機械の横側からセット、袋の端がヒーターより手前に出ていることを確認し、フットスイッチを踏むと、上からプレス板が下降し、布団を均一にプレスしながら脱気。布団が圧縮された状態で、左右のスイッチを同時に押してシールカットするもの。処理能力は、時間あたり180枚(袋入れの時間除く)。
電源は100Vなので場所を選ばず、キャスター付で設置後の移動も簡単にできる。シール幅は950mm、ヒーターは2重シールで、シール箇所が開かないように圧着できる。寸法は、幅1,200×奥行1,720×高2,060㎜。
包装資材は真空パック用の袋と比較して低価格の袋が使用でき、月2,000枚使用で約400,000円から62,000円と月間84%の経費を削減。また、真空包装機の1回の包装時間約90秒に対し、約20秒となり約70秒短縮。
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