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After Word 長期化、暑すぎる夏をどう乗り切るか
9月の中旬を迎えても暑すぎる夏が終わらない。例年であれば、そろそろ秋の衣替えでクリーニング店も販促に力が入るころだが、まだまだ真夏の暑さが続き、秋需要は大幅にずれ込みそうだ。
日本は、はっきりとした四季の移り変わりがあって、それに伴う衣替えがクリーニングの需要につながっていた。それが、もはや1年のうち半分は夏の状態となり、半年近くをクールビズ、軽装で過ごすことにもなった。これが短期であれば異常気象で済むのだが、異常が異常ではなくなり、今後もさらに進行すると見られている。
季節、気候が変動し、当然ながら衣生活も変化する。クリーニングのサービスも変えていくしかない。
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夏といえば、ホテルリネン事業者は猛暑が続く8月に最盛期を迎える。このところはインバウンドの影響により一年中、忙しい日々が続いているが、8月は夏休みで国内旅行者も増えるため、さらに繁忙となる。
ホテルリネン工場は夏の最盛期はもちろん、正月も休まず年中無休で稼働するところがある。従業員は交代で休みを取るのだが、そういう稼働の仕方にも最近は変化がみられるようになった。
12-13面の「Linen Plantダイジェスト」に掲載したが、長野のホテルリネン工場では、「残業なし・週休2日」を実践している。8月の忙しい時季でも週に2日は工場稼働を停止する。
これは、働き方改革としての取り組みという。労働環境や働き方を改善していくことで雇用を確保するためのものだが、その実現のために生産性の高い設備を導入し、在庫リネン材も増やしている。コストはかかるが、一方で稼働を休むことでエネルギーコスト削減になっている。
こうした動きは他の工場でも広がりつつあるが、それでも人手確保は容易ではない。繁忙期に人手が足らず、工場がパンクしたという話もあるし、多くの工場がスキマバイト人材によりなんとか人手を補充して作業を続けている。
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ホームクリーニングもリネンサプライも、それぞれ意味合いは異なるが、年々暑さが厳しくなり、かつ長期化する夏をどう乗り切るか。大きな課題となっている。