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コインランドリーの可能性を紐解く!愛される店舗の作り方
「街の誇り」をシェアする場所へ。スポーツ×ランドリーが切り拓く、地域密着型コインランドリーの新境地
「街の誇り」をシェアする場所へ。スポーツ×ランドリーが切り拓く、地域密着型コインランドリーの新境地
みなさん、こんにちは!コインランドリー女子のミユキです。
今回は、ジュビロ磐田とコラボレーションしたコインランドリーがリニューアルオープンしたとの情報をキャッチして、早速静岡県磐田市へ取材に行ってきました。(今年はなんだか、静岡とご縁があって嬉しいな!)
今回ご紹介するのは、平成26年にオープンして、地元で愛され続けている「ecoランドリー プラザ21見付店」。運営しているのは、昭和24年創業の第一商事株式会社です。ガソリンスタンドやLPガス事業など、長年静岡の生活を支えてきた同社が、既存店舗のリニューアルで選んだ道は、地元Jリーグチームであるジュビロ磐田との「協働」でした。
ありそうでなかった「スポーツ×コインランドリー」の形。今年5月に「ecoランドリー×J プラザ21見付店」としてリニューアルした店舗のレポを通じて、その形の可能性をお届けします。
1. ジュビロ磐田と築いてきた信頼関係
今回のストーリーは、取材当日、同社の清水社長と磐田駅で待ち合わせをしたところから始まります。指定されたロータリーで待っていると、目の前に一台のカラフルなラッピングカーが滑り込んできました。なんと、同社がレンタカー事業の一環として貸し出している「ジュビロ応援レンタカー」でお迎えに来てくださったのです!

第一商事が所有しているジュビロ応援レンタカー
試合観戦に向かうサポーターがこの車を借りることもあるそうで、そんな体験ができたらファンにとってはたまらないですよね。ミーハーな私は、そのお話を伺っただけでテンションが上がってしまいました。
店舗へ向かう道中、今回のコラボが急に決まったものではなく、こうした日頃のレンタカー事業などを通じた、地道な取り組みの延長線上にあることを知りました。現地に到着する前から、同社とジュビロ磐田の間にしっかりと結ばれた深い絆を肌で感じずにはいられませんでした。
2. 日常に溶け込む、地域共創のデザイン
店舗に到着し、一歩足を踏み入れた瞬間、思わず「わあ!」と声が漏れました。そこには、私たちが普段目にするコインランドリーの概念を超えた、サッカーグラウンドのような空間が広がっていたからです。

選手のユニフォームが並ぶ、圧巻の店舗外観

選手のロッカールームをイメージした内装
白を基調とした清潔感のある機器にはジュビロのマスコットが施され、店内にはジュビロのDVDが流れています。

ジュビロ磐田のマスコット「ジュビロくん」

店内で流れるジュビロのDVD(第一商事提供)
そして驚いたのが、床一面に敷き詰められた人工芝です。多くのコインランドリーを訪問してきた私ですが、「床が人工芝」というのは初めての経験!衛生面や清掃の手間を心配してしまいますが、スタッフの方がこまめにコロコロで手入れを行っているため、美しさがしっかりと保たれているとのことでした。

グラウンドのピッチに立っているような気分
さらに心を奪われたのが、畳台のデザインです。プライベートがしっかり保たれた仕切りの中で顔を上げると、目の前には選手たちのサイン入りユニフォームが。「推しを感じながら洗濯物を畳む」なんて、サポーターにとっては代えがたい至福の時間ですよね。

貴重なサイン入りユニフォーム

プライベートが保たれた畳台。仕切りには、ジュビロのエンブレムが施されている
一方で、「こうした個性的なコンセプトが、昔からの常連である一般のお客様の居心地を損なっていないか?」という懸念もありました。しかし、取材当日に訪れていたお客様は実に幅広い層。リニューアル前からの常連さんも、ごく自然に利用されていました。
熱狂的なテーマ性を持ちながらも、白と青を基調とした爽やかなデザインや、プライベート感のある快適な作りによって、地域の方々の日常生活にしっかり溶け込んでいる点が非常に印象的でした。
また、清水社長が店舗訪問時に、すかさずコロコロで床を掃除し、お客様の問いかけに笑顔で対応される姿を見て、「地域で愛される店舗の本質」を感じました。
3. スポーツ振興×推し活:コインランドリーが「聖地」に変わる
オープンから10年目を迎え、大きな転換点となった今回のリニューアル。同社はこれまで、ジュビロ磐田の他にも、地元のアマチュアスポーツチームの選手を社員として雇用するなど、地域スポーツへの貢献を続けてきた実績があります。そうした土壌があったので、今回のジュビロ磐田との店舗コラボもスムーズに話が進んだそうです。
ジュビロサポーターにとって、この店舗は単なる洗濯の場を超えた「聖地」。地元のサポーターはもちろん、遠方から訪れるファンにとっては「聖地巡礼」のスポットになっています。リニューアルオープンの日には、ジュビロ磐田のCRO山田大記氏が来店するイベントを開催し、たくさんのサポーターで賑わいました。

山田大記氏が来店した際の様子(第一商事提供)

集まったサポーター(第一商事提供)
今や推し活市場は計り知れないパワーを秘めており、その中でもスポーツ領域は近年ひときわ存在感を増しています。ファンが持つその熱量を「この店でなければならない」という強い指名買いへと昇華させることが、このコラボの本質です。店舗とファンが、共にジュビロを応援する「運命共同体」となることで、他の店舗には真似できない圧倒的な差別化が生まれています。
そして見逃せないのが、コインランドリーとスポーツの、実需における相性の良さです。
スポーツをする人達にとって、泥だらけのユニフォームや大量の練習着を洗うことは、日々の活動において「切っても切り離せない不可欠な作業」です。大容量の機器やスニーカーウォッシャーを備えたコインランドリーは、まさにスポーツの現場を裏で支えるインフラそのもの。
「スポーツを支えるインフラ」であることと、ファンがチームを応援する「推し活の聖地」であること。この2つが噛み合うことで、単なる利便性を超えた、地域やファンとの強い絆が生み出されているのです。
4. 「街の誇り」を分かち合う、新しい店舗の価値
今回の取材を通じて考えさせられたのは、単なる「ビジネスとしてのコラボ」という枠を超えた、ジュビロ磐田と地域との深い結びつきです。
実際に磐田の街を歩いてみると、駅前のオブジェから飲食店のメニューに到るまで、街の至るところにジュビロ磐田への誇りと愛着があふれていることに気づきます。このような地域において、地元チームを応援し支えるという行為は、単なる企業のプロモーションではなく、「街の誇りをみんなで分かち合う営み」そのものなのだと実感しました。
これまでのコインランドリーといえば、「汚れた衣類をきれいに洗って乾かす」という機能的な便利さ(機能的価値)が全てでした。しかしこの店舗は、チームを愛する人たちが集い、街の誇りや熱量を共有できる「心のつながる場所(情緒的価値)」へと進化を遂げています。
地域の歴史や文化、そして人々が大切にしている「誇り」の想いと、店舗のあり方がしっかりとリンクしたとき、そのビジネスは価格や利便性という土俵を超えた、「ここにしかない独自のポジション」を築くことができるのだと感じました。
【今回の学び】
今回のケースは、店舗のリニューアルに伴う、スポーツチームとの大掛かりなコラボでした。「うちの店でそんな大掛かりなことはできないよ」と感じるオーナーさんも多いかもしれません。
しかし、本当に大切なのはコラボの規模の大きさではなく、「自分の店舗が、この街のどのような誇りや喜びに関わっていけるか?」という視点を持つことです。
例えば、以下のような身近なところから「協働」を始めてみるのはいかがでしょうか。
- 地元で長く続いている少年野球チームを応援する
お試し価格でユニフォームなどの頑固な汚れをすっきり落とせる体験会を開く。 - 地域の小さなお祭りやイベントに協力する
商工会や自治会のお祭りと連動して、店舗スペースを活用した楽しい企画を行う。 - ご近所のお店とちょっとしたタッグを組む
地域のパン屋さんやカフェと協力し、「待ち時間に楽しめるマップ」を店内に置いたり、相互で紹介し合ったりする。
こうした小さな「協働」は、すぐに目に見える売上には表れないかもしれません。しかし、長期的な視点に立てば、「地域の信頼」という何物にも代えがたい資産を生み出すことができます。
「やっぱり、洗濯するならこの店じゃないとね」
地域の人々にそう心から思ってもらえる関係性こそが、これからの時代を生き抜くための、揺るぎない基盤になります。
皆さんの街には、どんな「地域の誇り」があるでしょうか?
まずは身近なコミュニティに、「何か一緒にできることはないかな?」と声をかけてみる。そんな小さな一歩が、毎日の店舗運営に新しい風を吹き込むきっかけになるかもしれません。
(編集後記)
昔から雨女の私。今回の取材も、一度はダブル台風で取材日が延期になり、再挑戦の日もやっぱり雨!でも、コインランドリーを推す者としては、私の雨女パワーは、もしかする
とお店にとってはちょっと頼もしい、かもしれませんね(笑)。